答えがあることよりないことの方が勇気がいる。
いつもこの時間になると頭の中で色んなことを考えてしまう。
それが本当にしょうもないことだったり、感慨深いことだったり、誰かに対する行き場のない怒り・不満であったり。
一日は24時間平等に与えられているが、やはりどこか、朝方に近い深い夜に考えることは日中では考えないようなことや、忘れかけていたことを思い出させてくれる。
そんな時間が僕は好きだ。
さて、こんな夜更け、妄想に耽っていると、ふとこんなことを考えた。
答えがあることって考えなくてもいいけど、ないことの方が勇気がいるなって。
夜にふと浮かんだことを記事として記すのは嫌いではないが、その記事を明朝にもう一度見てみるといかに深夜時間帯に人の脳の活動がゆっくりになっているのが手に取るようにわかる。でも何か形に残したいんだ。
さて、また話がずれたが私がこのようなことを考えたのにも理由がある。
それは先週だっただろうか、私が夜の時間帯からシフトに入っていた時だった。
このご時世だからか人通りも少なく通常時の半分以下くらいの数のお客様しかこない。
そんな中そろそろ店も閉めるからとクローズ作業をしていた時だった。
『コンコン』
見慣れない老人が自動ドアをノックする音が聞こえた。
突然だったので一瞬戸惑ったが、直ぐに上司が自動ドアへと小走りで向かい自動ドアを開けると老人は直ぐに笑顔になり何か話しているような風に見えた。
少し遠くから2人を見ている時私にはその2人の姿がとても不思議に映った。それは口は動いているが、その動きはどこか違っていて声を出していないような口の動きだったからだ。
その時やっと気づいた。その老人は耳が聞こえないということを。
最初のうちはお互い笑顔だったが、直ぐにその老人は身振り手振りを始めた。
そうだ手話である。
咄嗟に老人のとった行動に見ている私は多少動揺したが会話している、女性上司はそのような様子はなく変わらず笑顔でそして手話で答えていた。
しかし、どうも伝らなかったのか彼女は急いでレジの方へ向かった。その時察した。
筆談のための紙とペンを探しているようだったのですぐさま、ポケットからメモ帳と店舗用のペンを取り出しすぐさま彼女に渡した。
すると、スルスルとなぞるように文字を書きその老人に見せていた。
うまく伝わったらしい。
その後直ぐに老人は帰って行きその後事情を聞くと異動前の店舗で常連のお客様で、耳が聞こえないことも知っていたらしい。
では、なぜ手話でコミュニケーションを取ろうとしたのかを聞くと、過去に自分で独学で勉強していたとのことだった。
私がこの体験を通じて心に残ったのは、いくら過去に勉強をしていたとしても、それを、伝えるという気持ち1つだけで使い、できない部分は他で補う。そこまでしてコミュニケーションを取るために聞こえない声を聞こうとしていたことだ。
私たちの接客にはマニュアル(答え/)というものが存在しないし仮にマニュアルがあればある程度は対応できるだろうが、無い場合は自分で考え行動するしかない。しかしそれには勇気が必要になってくる。
いくら自分が良かれと思ってしたことも相手からしてみればそうは感じないかもしれない。
いちいちこんなことも考えられてはならないが、結果は直ぐにお客様の顔に現れる。それで判断する他方法はない。
私含めこの記事をみた方で何か自分が相手に何かを伝えたい、してあげたい。という気持ちがあるのであればぜひやってみてほしい。
なぜなら、結果は相手の目をみれば直ぐにわかるし、失敗すれば自分の糧になり、成功すれば自身になるんだもの。
それでは